水羊羹の発祥や歴史とは?福井の人気水羊羹も3つ紹介
つるんとした舌触りなめらかな食感が心地よい水羊羹。その瑞々しく清涼感ある見た目に惹かれ、夏に食べたくなる方も多いのではないでしょうか。でも実は、そんな我々の心境とは裏腹に水羊羹は冬の風物詩だということを知っていましたか。
今回はそんな多くの秘密と魅力を秘めていそうな水羊羹に迫ってみようと思います。
この記事を読み終える頃には、きっと水羊羹に詳しくなるとともに食べたくて仕方がなくなっていることでしょう。そんな方のために、併せておすすめの水羊羹もいくつか紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
水羊羹の発祥・歴史
水羊羹は福井県の名産品だということをご存じですか。今回はそんな水羊羹の発祥や歴史について深堀りしていきます。また、清涼感溢れるあの見た目にも関わらずなぜ冬の風物詩として親しまれているのか、その秘密も明らかにします。それでは、水羊羹について迫っていきましょう。
別名「丁稚羊羹」
水羊羹の本場とも言われている福井県では、古くから冬の風物詩として親しまれています。そんな水羊羹は別名、「丁稚(でっち)羊羹」とも呼ばれます。
この由来については、江戸時代から約200年にわたって続いた「丁稚奉公」の時代にまで遡ります。
当時、商人や職人の家で衣食住の面倒をみてもらうことと引き換えに、下働きとして勤める文化がありました。彼らは「丁稚」と呼ばれ、10歳前後の少年が対象でした。
そんな京都に奉公に来ていた丁稚が、年末年始に福井に里帰りする際に羊羹を手土産として持ち帰っていたことから、「丁稚羊羹」との名がついたと言われています。
庶民の味方?!水羊羹
福井県で親しまれている「冬水羊羹」は、A4サイズで厚さ2cmの木箱に収まっています。
付属されている竹のヘラで、切れ目に沿ってすくい、ヘラにのせて食べるというのがお決まりのようです。
このようになった起源は1950年頃だと言われています。
当時、町の駄菓子屋さんや八百屋さんなどでは、水羊羹を一枚いくら、一列いくら、というような形で販売していました。一般的に和菓子は高級品とされていましたが、その点水羊羹はこのように庶民にも気軽に楽しむことができる味として親しまれていました。
その後1960年代になると、内側にアルミ箔を覆った紙の箱に入れて販売されるようになり、そのまた10年後の1970年代には、現在のようなA4サイズの厚紙でできた箱に入って販売されるようになりました。当時は、複数枚の水羊羹を紐でひとつに括った状態での販売もされており、年末年始の親戚の集まりで配るなどされていたようです。
どうして「冬」に食べられるようになったのか
日本全国を見渡せば、その清涼感溢れる見た目と、つるっと瑞々しい食感が好まれ、夏に食べられる地域も多い水羊羹。ですが、その本場・福井県では冬の風物詩として親しまれています。
これには、先ほどお話した「丁稚が年末年始に里帰りする際の手土産として作られた羊羹である」という背景が起源になっていると言われています。
当時はまだ砂糖や小豆は貴重な時代であり、それを原料にする和菓子は高級品でした。そのため、丁稚たちが少しでも安価で購入できるようにと、練り羊羹より随分と水分量を増やし、あんこの使用量を減らしたことで生まれたのがこの水羊羹なのです。
そのため、水羊羹は他の練り羊羹や蒸し羊羹と比較すると、糖度が低くなっています。実際、練り羊羹の糖度が70度程度なのに対し、水羊羹は30度程度とその差は歴然です。
糖度が低いとあまり日持ちはしません。冷蔵庫がまだ普及していない当時、夏の気候下で常温保存すると、すぐに腐敗してしまいます。ですが、冬だと室温でも10℃前後であったため、廊下や納屋での保存も可能でした。
丁稚が年末年始に利用したことと、冬だと保存がきくという二点から、水羊羹は冬に食べられてきたと言われています。冷蔵庫が普及した現代でも冬に食べられていることに関しては、真面目な県民性も理由のひとつかもしれませんね。
福井で人気の水羊羹3選
福井の冬水羊羹は古くから、水・こしあん・砂糖・黒糖・寒天のシンプルな原料から作られてきました。ですが今日では、そこに様々なアレンジが施され、一括りに水羊羹といえど、製造するお店ごとに個性が光るようになりました。今回はその中でも本場・福井でおすすめしたい人気の水羊羹を3つ紹介します。
【えがわ】
まず始めに紹介するのは、昭和12年創業の水羊羹専門店からお届けする水羊羹です。
今日まで、福井の「冬だけの味」を守り抜いてきました。その味は圧倒的な支持を受けており、福井県のシェア7割を占めている人気実力派です。
大釜で炊き上げられる水羊羹は、毎日職人さんが3時間かけて手作業で練り上げています。
材料に関しても、厳選された国産のこしあんや沖縄産の黒砂糖を使用するなどこだわりが隠されています。これが、なめらかな舌触りと上品で豊かな甘さを生み出しています。
添加物不使用かつ糖度は低めに作られているため、傷みやすいという特徴がありますが、いつでも新鮮な状態の羊羹が手元に届くようになされています。販売時期は11月~翌年3月と限られているため、一度食べてみたいという方はぜひこの時期を逃さないように注意してくださいね。
【大黒屋】
次に紹介するのは、1630年から続く老舗の和菓子屋さんの水羊羹です。
小浜島産の黒糖と小豆の双方の風味のバランスを考え抜いた先に生まれた冬水羊羹で、旧鯖江藩の贈答菓にも認定されていました。
上品な甘さでありながら、さっぱりとしているという特徴があり、ついつい次に手が伸びてしまう美味しさです。冬のまだ息の白い早朝から職人の手によって小豆と黒糖が炊かれ、一枚一枚丁寧に容器に流し込んで作られています。
食品添加物は不使用で、小サイズのものは密封シールパックで包装されています。12月~翌年3月の冬季限定商品です。
【松岡軒】
羽二重餅発祥の老舗和菓子店として有名な松岡軒ですが、実は水羊羹も負けず劣らず人気の商品です。
瑞々しく、凛とした上品な甘みが特徴的なこちらの水羊羹は、昔ながらの「一枚流し水羊羹」です。
材料は、小豆・水・黒糖・砂糖・寒天と至ってシンプルで、添加剤・防腐剤は一切不使用です。
北海道産の厳選された小豆に、沖縄県産の黒糖を加え、職人が丁寧に練り上げるこしあんは、深いコクと豊かな風味が感じられます。すっきりとした甘さで非常に食べやすい仕上がりになっています。
毎年11月から発売開始の冬季限定商品なので注意してください。
cake.jpで購入できるおすすめの和菓子3選
スイーツ専門通販サイトcake.jpでは、ここまで紹介した水羊羹をはじめ、多くの魅力が詰まった和菓子が揃っています。今回はその中でもおすすめの商品を3つ紹介します。どの商品も美味しそうで思わず目移りしてしまいますよ。ぜひ、至福のおやつ時間や大切な方への贈り物として、参考にしてみてください。
【山田老舗cake.jp店】★化粧箱入★小城羊羹食べ比べセット
目次
★化粧箱入★小城羊羹食べ比べセット
¥2,570税込
食べ比べができる、美味しくてわくわくする羊羹を紹介します。
「山田老舗」は、明治28年に九州の小京都・佐賀県小城市で創業以来、約120年にわたって続く歴史ある羊羹専門店です。長年受け継がれる技から生み出されるこちらの小城羊羹は、平成元年度の全国菓子大博覧会において内閣総理大臣賞を受賞し、また、平成6年度には最高名誉である三笠宮名誉総裁を受賞しています。
今回お届けする羊羹は、昔ながらの外側がサクッとした食感の「切羊羹」と、舌触りなめらかな「練羊羹」のセットです。練羊羹は小倉・抹茶・紅練の3種類、切羊羹は小倉と抹茶の2種類を用意しています。計5種類の羊羹を食べ比べできる魅力的な商品です。
【和菓子想い。髙山堂】丹波黒豆 生きんつば 6個入り
丹波黒豆 生きんつば 6個入り
¥918税込
続いて紹介するのは、羊羹と同様に小豆が主役の和菓子「きんつば」です。
北海道産の指定品種小豆を丁寧にじっくり炊き上げてできた粒あんを、食感そのまま楽しめるように蒸しあげたきんつばです。表面を焼かずに蒸しあげることによって、粒あんの炊き立て柔らかい食感を堪能することができます。余分なものは一切加えないことで、甘さ控えめ、だけど小豆本来の風味を感じることができます。
丸い形をしたきんつばの表面に、甘露煮にした丹波の黒豆が3粒のっています。上品で作り手の想いが詰まった逸品です。
【和のかし 巡】《ヴィーガンスイーツ》
福巡り&もちっふわっバター風味どら焼きのセット(雑穀豆大福4個 つぶ餡、なめらか餡各2個入り どら焼き4個 各種4個 計8個入り)《ヴィーガンスイーツ》
¥3,985税込
「和のかし 巡り」は、体内の巡りをよくする栄養素を含む素材をまるごと使った新感覚の「和のかし」を製造・販売しています。小麦粉、精製食品、動物性食品、そば粉、添加物を使用しておらず、また、甘味料は有機アガぺシロップのみ使用しているため、血糖値の急激な上昇も抑制してくれます。
そんなこだわりが詰まったお店からお届けするのは、看板商品の雑穀豆大福「福巡り」と、ヴィーガン・グルテン/膨張剤フリーのどら焼きのセット商品です。
雑穀豆大福は、無農薬の餅玄米に無農薬黒豆・備長炭・有機キヌアを加え作った餅生地に、無農薬の小豆で作った餡子が入っています。つぶ餡となめらか餡の2種類が各5ずつ入っています。備長炭のデトックス効果、低糖質の餡子、低GI値の玄米餅が嬉しい逸品です。
どら焼きも小麦粉・卵不使用で、どちらにも溢れんばかりの優しさがたっぷり詰まった商品です。
水羊羹の素朴な甘さでまったりひといき
今回は発祥や歴史など、水羊羹の秘密に迫ってみました。冬の風物詩とされる謎が解けましたね。また、本場・福井の美味しい水羊羹を見て、食べたくなった方も多いのではないでしょうか。素朴な甘さでつるっと食べられる水羊羹は、老若男女問わず親しまれる和菓子のため、自分のご褒美にはもちろん、贈り物としても大活躍です。水羊羹とともに、まったり一息つきませんか。