
メロンを丸ごとひと玉使い、ナイフを入れると中から色鮮やかなケーキが現れる――。
見た目のインパクトと、切り分ける瞬間の驚きで人気を集めるCake.jpのロングセラー商品「まるごとメロンケーキ」が、累計販売5万食を突破しました。
さらに、今年の夏からは新たにハーフサイズも登場。これまでのホールサイズよりも手頃な価格で楽しめるだけでなく、冷凍配送によって、これまで届けることのできなかった地域にも配送できるようになり、楽しみ方がさらに広がりました。
今回は、「まるごとメロンケーキ」の生みの親である加藤シェフに、誕生のきっかけから美しい断面の秘密、素材へのこだわり、そして「まるごとメロンケーキ」のこれからについて伺いました。
目次
5万食販売した「まるごとメロンケーキ」

ーー「まるごとメロンケーキ」が、累計5万食を突破したそうですね。
加藤さん:そうなんですよね。毎月、販売数の報告はいただいているんですけど、僕自身は「そんなに売れてるんですね」っていう感じで、実はあまり実感がなくて。
通販を始めた最初の年は、とくにたくさんの方に買っていただいたと思います。
大きなモデルチェンジをすることなく、細かな改良を重ねながら5~6年も売れ続けている商品は、洋菓子の業界ではなかなか珍しいんです。ロングセラーとして長く支持していただけて、本当に嬉しいですね。
ーーこれだけ長く愛されている理由を、加藤さん自身はどう感じていますか?
加藤さん:一番は、“同じものがない”からじゃないですかね。
たとえば、マドレーヌやフィナンシェって、もちろんお店ごとに味もこだわりも違いますが、いろいろなお店の商品を並べたときに、見ただけで違いを伝えるのって結構難しいと思うんです。
でも、このメロンケーキは視覚から入った瞬間に「ほかとは違う」と分かる。
似たようなデザインの商品はあるかもしれませんが、それを通販できちんと届けられるところまで落とし込んでいる商品は、まだそんなに多くないと思います。
ーー “ほかにはない”商品を生み出せるのも、長年培ってきた経験があってこそだと思います。加藤さんは、パティシエとしてどのくらいのキャリアになるのでしょうか?
加藤さん:高校を卒業してすぐにこの世界に入ったので、もう20年以上になりますね。
高校卒業後は飲食の仕事に就きたいと思っていて、最初は料理の仕事を探していました。でも当時はなかなか料理の求人がなくて、最初に働いたのがパン屋さんだったんです。
デニッシュを売りにしている、当時としては少し珍しい、スイーツに近いパン屋さんで。そこに入ったのが、僕の飲食人生のスタートですね。
ーー20年以上、お菓子作りに向き合ってこられたんですね。そもそも、加藤さんが飲食の道へ進みたいと思ったきっかけはあったのですか?
加藤さん:20数年も前のことなので、ちょっとぼんやりしていますが(笑)。
僕は4人兄弟で、両親が共働きの家庭で育ち、子どものころから自分でおやつやご飯を作ることが結構ありました。小学生くらいのときに初めてマドレーヌを作って、誰かに食べてもらったときに「おいしい」と言ってもらえたことが、すごく嬉しかったのは今でも覚えています。
それが直接「パティシエになろう」と思ったきっかけだったかというと、そこまできれいな話ではないのですが(笑)。
“自分が作ったもので、誰かに喜んでもらえた”という経験は、ひとつ自分の中であると思います。
ーー子どものころのそうした経験が、今のお仕事にもどこかつながっているのかもしれませんね。長くお菓子作りを続けるなかで、大切にしていることはありますか?
加藤さん:僕は「五感に訴える」ということを、ひとつのテーマにしています。
今は「食べておいしい」ということは、ある意味では当たり前だと思うんです。だから味だけではなく、目で見たり、香りを感じたり、実際に触れてみたり。そこに何かプラスの要素があると、もっと楽しんでもらえるんじゃないかなと思っています。
「まるごとメロンケーキ」も、まさにそんな思いが形になった商品のひとつです。
あの美しい断面は、どうやって生まれた?

ーー「まるごとメロンケーキ」は、どのように生まれたのでしょうか?
加藤さん:もともとは約9~10年前、大阪・北新地にある紹介制のお寿司屋さんで、コースの最後に出すデザートを考えてほしいと依頼されたことがきっかけでした。
お寿司や和食のコースって、デザートにはアイスクリームだったり、高級なフルーツだったりが出てくることが多いですよね。そうした和食のコースらしさは大切にしたかったので、まずは高級なフルーツを使おうと考えました。
そこで、日本の高級フルーツとして最初に思い浮かんだのがメロンでした。
ただ、そのままフルーツを出すだけでは「ちょっと面白くないな」と。定番から大きく外れないけれど、そこに何かサプライズを加えられたらいいなと思ったんです。
ーーそこから、どうして「メロンの中にケーキ」という発想になったのでしょう?
加藤さん:お寿司屋さんって、カウンターの目の前で握ってくれる“ライブ感”も魅力のひとつじゃないですか。だったら、最後のデザートまでそのライブ感を楽しんでもらえるものにしたいと思ったんです。
長い時間をかけて仕上げることはできないので、1~2分くらいで、お客さんが驚いてくれるようなパフォーマンスができないかなと。
果物って、切ったら当然、中から果物が出てくるじゃないですか。
「でも、切ったら中からケーキが出てきたら驚くんじゃないか?」
そこからですね。
ーー素敵なアイデアですね。思いついてから、完成まではどのくらい時間がかかったのでしょうか?
加藤さん:僕、結構思い立ったらすぐやりたいタイプなんです。なので、最初の試作は、思いついたその日にやりました。
頭の中ではじっくり考えるんですけど、そこから具現化するまでは早くて。材料を買ってきて、その日のうちに一度作りましたね。
もちろん最初は、今とはデザインも少し違いましたし、使っていたメロンも違います。
そこから細かい部分を直して、常連のお客さんにも試してもらいながら、商品になるまで大体1か月くらい試作を繰り返しました。
ーー試作を続けるなかで、一番苦労したのはどんなところでしたか?
加藤さん:断面ですね。
この「まるごとメロンケーキ」は、切ってみるまでうまく仕上がっているか分からないんですよ。サプライズで切ったのに「失敗していました」では話にならないので、“断面の美しさ”はすごく大事にしたいポイントでした。
いかに断面をきれいに見せるかを考えて、フルーツの並べ方や厚さ、配置、どの順番で素材を詰めれば一番きれいに見えるかを何度も試しました。
1日に複数個作ることもありましたし、完成まで100個には届かないくらいでしょうか。それくらい細かな調整を繰り返しましたね。
見た目の驚きを、おいしさにつなげるために

ーー先ほど、お菓子作りでは「五感に訴えること」を大切にしているとお話しされていました。「まるごとメロンケーキ」では、とくにどんな部分にこだわっていますか?
加藤さん:「まるごとメロンケーキ」の開発時は、五感のなかでも“香り”にすごくこだわり、静岡産のマスクメロンを使用していました。
「マスクメロン」の“マスク”って、お面のマスクだと思われることもあるんですけど、実は「ムスク」、つまり香りに由来しているんです。それくらい、熟したときの香りがいい果物なんですよね。
Cake.jpの通販用の商品では、より多くの方に届けられる価格にするため、静岡産だけには限定していません。ただ、国産であること、つるが付いていること、形のきれいなマスクメロンであることは条件にしています。
そのうえで、高知や熊本、茨城など、季節によってそのとき一番いい産地を選んでいますよ。
ーー産地が変わると、ケーキの味もその都度調整するのですか?
加藤さん:産地ごとに多少味の違いはありますが、マスクメロンはすごく優秀な果物で、極端に甘かったり、逆に全然甘くなかったりという差は出にくいんです。
なので、どちらかというと大事なのは「熟し方」ですね。
ご家庭でそのままメロンを召し上がるなら、しっかり完熟したものがおいしいと思うんです。
ですが、この「まるごとメロンケーキ」は半分はメロン、半分は“器”でもあります。熟しすぎると器として崩れてしまうので、一般的な食べ頃より少し手前の、やや硬めの状態で使っているんです。
メロンは中心から甘くなっていくので、少し硬い状態でも内側の果肉は十分に甘いんですよ。
ーー苺を組み合わせたのにも理由があるんですか?
加藤さん:一番は色ですね。
メロンは緑色なので、そこに赤色が入ると、切った瞬間のインパクトが出ると思いました。ちょうど真ん中に苺が目立つように配置しているのも、そのためです。
もうひとつは、味ですね。
メロンは香りがよくて、芳醇で濃厚な甘さがある反面、酸味がほとんどないんです。
そこに、赤くて酸味があって、年間を通して安定的に手に入り、みんなが好きな果物を合わせよう……と考えて、苺にたどり着きました。
苺のショートケーキは、ケーキの中でも王道ですし、メロンの中にケーキを入れるなら、まずはショートケーキだろうな、というのもありましたね。
ーー「まるごとメロンケーキ」を通販で届けるためにも、いろいろな工夫がされているそうですね。
加藤さん:店頭なら、その日に作ったケーキをその日に食べていただくこともできますが、通販では早くても翌日になりますし、遠くまで輸送もしないといけません。
そうなると、どうしても商品の品質を安定させる必要が出てきます。
たとえば通販用の商品では、生クリームに寒天由来のパウダーを少量加えています。完全に固めてしまったらクリームではなくムースになってしまうので、あくまでムースにならない程度。生クリームらしい食感は残しながら、輸送中にクリームが緩みにくいよう調整しています。
まるごと一玉のサイズは冷蔵配送ですが、今回発売されたハーフサイズは冷凍配送です。そのため、解凍したときにフルーツや生クリームから水分が出る「離水」をできるだけ防ぐ工夫も必要になりました。
ハーフサイズではさらに、フルーツの水分の取り方や、生クリームに加える寒天由来パウダーの量、解凍時間なども細かく調整しています。
基本的な中身そのものは変えていませんが、ご自宅でもおいしく食べていただけるよう、配送方法に合わせて細かな工夫を重ねていますよ。
切り分ける瞬間まで楽しんでもらいたい

ーー「まるごとメロンケーキ」は、どんなシーンで選ばれることが多いですか?
加藤さん:誕生日などのお祝いや、年末年始、お盆、ゴールデンウィークなど、やっぱり“人が集まるとき”ですね。実際、そういう時期に販売数も増えています。
もともとホールサイズは、6~8人くらいで楽しんでいただくことを想定した大きさなので、家族や友人が集まるような場面とは相性がいいんだと思います。
ちょっと特別な日に、みんなで楽しんでもらうことが多い印象ですね。
ーー自宅でホールのメロンケーキを切るときに、きれいに切るコツはありますか?

加藤さん:なるべく長い包丁を使ってもらうといいですね。
もし長い包丁がなければ、パン切り包丁でも大丈夫です。中がショートケーキで柔らかいので、ギザギザしたパン切り包丁は、実は切りやすいんです。
もうひとつは、包丁を少し温めること。ポットやケトルでお湯を沸かして、包丁を少し温めてもらうと、生クリームが刃にくっつきにくくなります。
ーーそうすると、お店のような美しい断面に?
加藤さん:どうしてもお店で切ったのとまったく同じように切るのは難しいとは思いますが、比較的きれいには切れると思います。
でも、ホールサイズはきれいに切ること以上に、大切なのは「体験」だと思っているんです。
自分たちでメロンにナイフを入れて、切った瞬間に中からケーキが出てくる。
最初にお寿司屋さんで考えたときも、そこに驚いてもらいたいという思いがありました。
ですので、完璧な断面を作ることだけではなく、その瞬間をみんなで楽しんでもらえたら嬉しいですね。
ーー食べるだけでなく、切り分けるところまで含めて、このケーキの楽しみなんですね。
加藤さん:そうですね。一方で、今回登場したハーフサイズは、ホールサイズとはまた対照的な楽しみ方ができると思っています。
ホールサイズは、自分たちでナイフを入れて「中からケーキが出てきた!」という驚きを楽しんでもらう商品。一方でハーフサイズは、あらかじめカットした状態で冷凍しているので、最初からきれいな断面を楽しんでいただけます。
実際に店頭でハーフサイズを販売してみると、「自分で切る体験」よりも、「きれいな断面を見たい・撮りたい」「切る手間なしに気軽にケーキを楽しみたい」という方もいらっしゃるんだと分かりました。
どちらがいいということではなく、お客さまが求める楽しみ方に合わせて選んでもらえたらいいなと思っています。
もっと多くの人へ。「まるごとメロンケーキ」のこれから

ーーそもそも、なぜハーフサイズを作ろうと思ったのでしょうか?
加藤さん:ホールサイズは、6~8名くらいで食べていただく想定です。ですが店頭でも、「2人で食べきれますか?」って聞かれることが結構ありまして。
僕らとしては売れたほうがもちろん嬉しいですけど、正直、2人だとホールは多いかもしれない。高いものを買って、食べきれずに残ってしまっても、いい印象にはならないと思うんです。
それに、ホールサイズは価格の面でも「ちょっと手が出しにくいな」と感じる方はいらっしゃると思います。
ハーフサイズなら、2人でも甘いものが好きな方には楽しんでいただきやすいですし、価格もホールサイズより抑えられる。「気になっていたけれど、大きさや価格を考えるとなかなか買えなかった」という方にも、一度体験してもらえるんじゃないかなと思いました。
本当はもっと早く出したかったんですけど、製造する工場の選定だったり、耐久テストだったり、専用のパッケージだったり、いろいろ調整が必要でした。
2年越しの念願がかない、今回ハーフサイズの発売を無事迎えられました。
ーー冷凍配送になったことも、大きな変化ですよね。
加藤さん:そうなんです。今回のハーフサイズで一番やりたかったのは、「今まで届かなかったお客さんに届けたい」ということでした。
ホールサイズは冷蔵配送で、賞味期限が翌日までと短いんです。東京と大阪の拠点から翌日に届かない北海道や沖縄、離島などには物理的に配送できず、実際、問い合わせもいただいていたんですけど、お断りするしかなかったんです。
でも、ハーフサイズは冷凍で配送できる。そうすることで、今まで届けられなかった地域の方にも食べていただけますし、「その日に絶対受け取らないといけない」というお客さまの負担も少なくなりますよね。
お客さまの選択肢や自由度が広がることが、今回の一番大きなポイントだと思っています。
ーー長く愛される商品になった今、これからやってみたいことはありますか?
加藤さん:過去には、フルーツを変えて、オレンジやパイナップルでも中にケーキを閉じ込めるスタイルに挑戦したことがあるんです。
こちらもとても人気だったんですが、輸入の果物を使うので、大きさや品質にばらつきがあり、商品として安定させるのは難しいというのもありました。
今はメロンを中心にしていますが、中のフレーバーを変えることには挑戦しています。
たとえばクリスマスの時期には、ピスタチオとラズベリーを合わせてみたり……。
現在の味が定番になってきたからこそ、これからは中のケーキの味を変えて、遊ぶこともできたら面白いなと思っています。
ーー最後に、これから「まるごとメロンケーキ」を、どんな方に届けていきたいですか?
加藤さん:僕たちが作る商品は“お客さまに届いて初めて価値が生まれる”と思っているんです。
今まではサイズだったり、価格だったり、配送できる地域だったり、いろいろな理由で届けられなかった方がいました。今回ハーフサイズの発売によって、そういう方にも届けられるものを提案できたらいいな、というのが一番の思いです。
これまでホールを囲んで楽しんでくださった方にも、初めてメロンケーキを食べてみる方にも。
それぞれに合った形で、もっとたくさんの方に楽しんでもらえたら嬉しいですね。
まるごとメロンケーキ ハーフ
¥4,900税込
まるごとメロンケーキ
¥8,900税込
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